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拉致問題

2014年7月 6日 (日)

「北朝鮮による拉致問題」の問題点!

20140706
2014.7.5
被害者らの再調査で合意「北朝鮮による拉致問題」の問題点!
特別委は目くらまし 犯罪者が自分で調査する愚行
 北朝鮮の特別調査委員会の構成を見て、私は目を疑った。日本人拉致事件の主犯は対南工作部署なのに、国内政治監察組織の国家安全保衛部副部長が委員長として登場したからだ。
 きちんとした調査委にするなら、保衛部も一般人を監視する人民保安部も最初から外すべきなのだ。なぜなら、拉致を行い、今でも被害者を直接管理している朝鮮労働党対南工作部署は、保衛部や人民保安部の管轄領域の外にある特殊機関だからだ。閉鎖社会である北朝鮮では、労働党の課長以上の幹部と対南工作部署の要員を別途、蒼光保衛部と蒼光保安部が監視、管理している。「蒼光」とは中央党庁舎と幹部社宅が密集する平壌市内の通りの名前で、蒼光保衛部と蒼光保安部は、労働党の最高権力を握る組織指導部の直属である。日本人拉致被害者は対南工作部署に所属しているので、蒼光保衛部、蒼光保安部の「管理人物登録台帳」(名簿)に含まれている。ところが北朝鮮は、行方不明者について「人民保安部による(一般人を対象にした)住民登録台帳」で調べると説明した。 北朝鮮は初めから嘘をついているのだ。

 ■国防委「特別な権限」嘘
 北朝鮮の計略はこれだけではない。特別調査委員会から、拉致の主犯である朝鮮労働党の対南工作部署を外し、国家安全保衛部や人民保安部、国土環境保護省、保健省、朝鮮赤十字会などを調査委に含めた。拉致調査は対南工作部署で十分なのに、調査を全国規模に拡大したことにも大きな企(たくら)みが潜む。
  国防委員会は「特別な権限」を持っているという前提も嘘だ。なぜなら国防委は北朝鮮の先軍政治を強調するための象徴的な機構にすぎない。北朝鮮で国防委員の任命から解任までできる特権を持っているのは党組織指導部である。 国防委の特別権限ですべての機関、人物を調査する-などと強調しているのは、日本の要求を満たしたように見せかける戦略で、北朝鮮の欺瞞(ぎまん)だ。 今回、北朝鮮側には4つの目的がある。

(1)再調査の形式を膨らませて、対南工作部署の犯罪性への追及を回避す   るとともに、工作機関のある平壌の3号庁舎から北朝鮮全域に関心をそら  し、時間を稼ぐ
(2)対南工作部署の外部にいた拉致被害者を1人か2人、象徴的に帰還させ  た後(今後を見 なければならないが)、会談の議題を拉致問題から遺骨送  還に変質させる
(3)調査規模を最大限にして人件費や労力を注ぎ込み、大きな成果がない場  合、安倍政権に“請求書”を出す
(4)拉致問題の会談が失敗した場合は日本政府に責任を転嫁する。
  の4点だ。

 北朝鮮はなぜ日本との対話を再開したのか? 理由は核廃棄への中国の圧力のためだ。張 成沢(チャン・ソンテク)処刑で中朝関係は明らかに変わった。 北朝鮮がロシアとの関係強化を望むのも、張成沢処刑に対する中国の怒りが党組織指導部への潜在的威嚇になっているからだ。

 こうした環境で日本側は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)本部を競売に掛け、政治的、心理的に優位にあった。ところが、拉致被害再調査という時間と弁解の機会を北朝鮮側に提供し、日本自らがこれに拘束されるという誤りを犯した。一言でいえば、犯罪者に自分の犯罪の再調査を求めるという世にもまれな特別免罪符を与えてしまった。
 日本は、対南工作部署を交渉に引き出して直接対話を行う方式を取るべきだったのだ。それでこそ議題を最初から、全員帰還か否かという攻撃的な次元で主導することができた。
 北朝鮮は犯罪の代価を要求している。この間の拉致被害者家族の皆さんの心情を思うと、この文を書く私の心は重い。

【プロフィル】張真晟
 チャン・ジンソン 
  北朝鮮・金日成総合大学卒。元朝鮮労働党統一戦線部(対南工作部門)   幹部で2004年に脱北。北朝鮮の権力実態に詳しいウオッチャーとして注目  されている。日本人拉致問題にも関心を寄せ、「救う会」のセミナーに参加  し被害者家族との交流もある。